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歓楽街アーチをくぐると、退廃美あふれる異世界へ。福岡県飯塚市「レトロ新富町アーチ」

レトロスポット

福岡県飯塚市に何も知らないと通り過ぎてしまうような場所に、まるまる全て廃墟の集合地帯のような小路が存在している。

「訪問日2023.12.26」

福岡でどこかレトロな町並みを感じられる場所はないか、ネットで検索をしていた時に見つけた飯塚市の「レトロな新富町アーチ」

ここだけを切り取って見ると、レトロな小路で全国どこにでもある懐かしさを感じられる通りだと思うかもしれない。

だがここは、そんな生易しいレベルじゃなかった。(ワタシ的にはいい意味で😎)

アクセス:最寄り駅は福岡の飯塚駅から歩いて19、20分ほど。
隣駅の新飯塚駅も同じくらいの距離感なのでこの二駅のちょうど中間くらいに位置している。


このあとの写真も是非見てほしいのだが…
この小路に面した両側全ての店が、廃墟と化しているのだ。

福岡でレトロなスポットを巡る旅では到津市場や貞元市場、旧三井田川鉱業所伊田竪坑 第一・第二煙突を訪れたのだが、ここは今回訪れた九州レトロ旅でも一番雰囲気を感じた場所だった。

福岡県 #昭和レトロ アーケード巡り「貞元市場(さだもといちば)」

一部立ち入り禁止の理由は?失われつつある昭和の香り漂うレトロな市場「到津市場(いとうづいちば)」

飯塚市の繁華街から少し外れた場所に位置している、このエリアは昔は青線地帯と呼ばれていた場所らしい。

店看板?にかかっているハンガー、謎に趣がある。
こういう謎な意味の分からないものにむちゃくちゃジワってしまう…

青線地帯とは?

青線地帯という言葉を聞いたことがあるだろうか?

青線(あおせん)とは、1946年1月から1957年4月まで(昭和21年〜昭和32年)の時期、公娼(公共の娼婦)が廃止される指令が出された時から売春防止法が完全に実施される1958年4月までの間、不法に売春が行われていたエリアのこと。
これを指す言葉として、青線地帯や青線区域という言葉が使われている。

つまり簡潔に言うと、青線地帯は昔の日本で非合法の売春が行われていたエリアのことを指す。
もぐりの売春地帯とでもいうべきか。

反対に(半ば)合法的に売春が行われていたエリアを「赤線地帯」「赤線区域」と呼んでいた。

警察は戦前、遊郭などの風俗営業が認められる地域を、地図上で赤い線で区切り表示していた。
これが「赤線」の言葉の由来とも言われているらしい。

かつては昭和の活気にあふれ、華やいだ通りであったのではと想像する。
今は色街独特の妖しさや「廃」「寂」といった空気感を感じる場所となっている。

別アングルでも一枚。
店の窓ガラスが中心あたりで割れてしまっている。
故意的な誰かの仕業だろうか。

来た道を振り返ってみる。

人口あたりの飲み屋数全国1位と言われた飲み屋街の脇道で、メインストリートも人だかりが減って、ましてや脇道は…… 30年前くらいまでは「嘘やろ?」と言うくらい人が溢れかえってたw。
「宵越しのお金は持たない」という川筋気質(かわすじきしつ=日銭に困らない炭鉱町気質)に支えられた街だった。

※福岡在住のフォロワーさんにお伺いした話

青線営業の実態の多くは、一階が飲食店などで、上階などで売春行為が行われるケースが見受けられたらしい。

建材の崩落の為かブルーシートで覆われた店舗もあった。

この街路に建つ店に、今は人の気配は一切感じられない。

かつて往年のにぎやかな日々、昭和時代には、扉の向こうにはどのような情景があったのだろうか。 

時代のうねりと儚さが心に触れ、過ぎ去った日々に思いを馳せる。

好き勝手に落書きされまくっている店も。

ドアそのものが外れかかってしまっている。
もう少しで建物内の瓦礫が飛び出てしまいそうだ。

屋根が崩れ落ち、瓦礫が積み重なっている様子。

石造りはそこまで傷んでいるようには感じないが、雨風にさらされてきたせいか、木材部分は崩れかけのボロボロだ。

そして、こういった飲み屋街の店のドアは「いかにも」という哀愁が漂っていると思う。
ちなみに中央あたりに写っているドア、【何か】に似ていると思わないだろうか?


…そう!まるで板チョコレートみたいな。

この酒処「一」はつい最近まで営業していたように伺えた。
と言ってもおそらく2、3年くらいは人の気配が消えてしまっているだろうか?

新型コロナウイルス感染防止宣言の張り紙があるという事で、2020年代までは営業していたと想像ができる。
見た目の新しさからもこの通り、最後まで営業していたのではないだろうか。

写真左手は空き地になっていて、一区域に草木が生い茂っていたのと、置き去りにされた業務用のゴミ箱や鍋などの調理用具らしいものが散乱していた。

綺麗に取り壊された後、ゴミなど放置されたのか…?

「麻雀」の文字。
放置状態で素材が劣化し、判読が難しくなってきている。
藻が繁茂したような様相。

このアングル「麻雀」看板がいい味を出してくれていて、すごく好き。。

…ん?蛍光灯ついてる?と、
記事を書いていて改めて写真を見て気がついた…。明るさの判別がつかないので正直分からない。
これから訪れる人には筆者の代わりに確かめてみて頂きたい。

反対側に出た。
トップ画の新富町入り口から探索をスタートしたが、短い小路ではあるものの、花街独特の廃れた空気感に飲み込まれ、小路を行ったり来たりを繰り返し少なくとも30分くらいは滞在してしまっていた苦笑

それほど独特のディープな世界観、ある意味でタイムスリップした異世界のようだった。

おまけ

新飯塚駅から飯塚駅方面に歩いてきたのだが、飯塚駅前の建物でものすごく、うっすいテナントビルだろうか。発見してしまった。

ななんだコレはwww
こんな薄いビル初めて見た笑

記憶はうろ覚えだが幅は1mもないように感じた。(私の感覚だ)

新飯塚駅で降り立ち、目的地のレトロアーチ新富町 青線地帯を経由して飯塚駅まで歩いて探索をしてきた。

復路は飯塚駅→博多駅で帰路につく。

〈全体ルート〉新飯塚駅→新富町 青線地帯→飯塚駅
※新富町アーチとそれぞれの駅間が徒歩 約20分ほどなので往復で徒歩移動だけだと40分くらいは所要時間でかかる。


レンタサイクルがあるかは調べていなかったが、もしサービスがあるのなら自転車利用がベストかもしれない。

コメント

  1. あっきー より:

    時代に取り残された「通り」だね…
    遠賀川って結構大きな川のイメージ、昔は氾濫とかしてたのかな…
    とか想像するのも楽しいね…
    不謹慎かな❓(・・;)

    • まいまい まいまい より:

      >時代に取り残された「通り」だね…

      まさにその通りだと思います。。。
      歩いていて色々と想像を掻き立てられました。。。

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