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‐「戦跡に宿る美しさ」ほぼ手つかずのまま残る戦争遺跡、鹿島海軍航空隊跡とは?‐後編

廃スポット(廃墟・廃道・廃線・酷道…etc)

※本内容は、遺跡好き・戦跡巡りや史跡巡りをしている人などにおすすめの記事となります。

茨城県美浦村で行われた「廃墟景観シンポジウム Vol.3 ~戦争遺構が今、語るもの〜」

今回の記事は廃墟好きな私にとって、超テンション上がりまくりのイベントに参加をさせて頂いた際の、鹿島海軍航空隊跡地 探索レポである!


廃墟景観シンポジウム Vol.3 ~戦争遺構が今、語るもの〜の詳細について知りたい方は、前編の記事を読んで欲しい。

⁡↓こちらが前編の記事リンク↓
良ければ前編からご覧あれ。

それでは、各所まわったスポットごとに写真も含め紹介していく事にしよう…!

旧鹿島海軍航空隊本庁舎

旧鹿島海軍航空隊本庁舎

鹿島海軍航空隊は、大正13年に発足した霞ヶ浦海軍航空隊と同様に練習航空隊だったが、鹿島海軍航空隊は水上機に特化していた。
鉄筋コンクリート造の3階建ての庁舎に鹿島海軍航空隊の司令部が置かれていた。

⁡司令部として使われた庁舎の建物は、コンクリート製で壁の厚さが30cm、天井までの高さが4m以上あり、2階建て、一部3階の塔屋がある建物だった。

司令官の寝室だった部屋は桧の板壁で、シャンデリアや水洗トイレも備えていたらしい。
当時にしては、なんて最先端設備なんだろう…!!

終戦後、鹿島海軍航空隊は米軍によって建物と武器以外の備品のみを残して解体されてしまったとの事。

戦後、本庁舎は東京医科歯科大学病院の分院として結核患者の治療に使用されることになる。
サナトリウム(結核病院)として活用されていた。

サナトリウムとは?

⁡余談だがサナトリウムについても触れておこうと思う。

サナトリウムとは、主に結核などの慢性疾患の患者を治療・療養するための医療施設を、サナトリウムと呼ぶ。
目的としては結核治療のため、日当たりの良い、空気がキレイな高原や海浜に建てられることが多い。

戦時中、壁の色は迷彩色に塗られていたとか

ヒヨ
ヒヨ

nann…
\ 一面、迷彩色に染められたという臨戦態勢の庁舎も見てみたかった↓ /

庁舎は1997年に閉院した後、長らく放置されていた。
診察、手術、検査室として機能していたとのこと。
実際に昔、レントゲン室のような設備が残っていたという話も聞いた。(残留物などから)

塗装が剥がれかけた外階段。
もし今誰かが登ったとしたら、崩れてしまいそうだった。

汽缶場(ボイラー室)跡

石炭ボイラーなどが設置されていた建物ということで、高い煙突がひときわ目を引く。

逆光煙突

ツタが煙突に「ピタ」と張り付いている。

煙突内部にカメラで潜入!((o(´∀`)o))ワクワク

石炭ボイラー(旧式ボイラー)
ボイラー棟には、日本最古の暖房用石炭ボイラーがほぼ原形を保ったまま残っている。

海軍航空隊時代から戦後の分院時代まで使用されていた石炭ボイラーは、昭和40年代に停止され、代わりにボイラー棟に設置された重油ボイラーでスチームが供給されるようになった。

80年前に設置された石炭ボイラーは、当時の姿をほぼそのままに保ち続けているのだが、全国的に見ても、ここまで残っているのは大変珍しく、貴重な産業遺産と言えるのかもしれない。

分院時代末期に導入された重油ボイラー

汽缶場(ボイラー室)跡 外観

出入り口。他にもいくつかある。

これは何に使われていた機械なのだろう。
見た感じ、状態が良いまま残っているようだった。

発電機のようだ。
「SKA1150形ディーゼル発電機/富士電機製造株式会社」と、しっかり確認できる。

発電機 引きの写真。

ブラウン管テレビの残留物は見つけるとテンションあがる…。
もう薄型テレビに移り変わってどれくらい経つのだろう。

汽缶場(ボイラー室)跡:散策中に私を惹きつけた一部屋がこちら。
ガラスの色合いを見てほしい。
爽やかな青みがかった窓ガラスと白?ホワイトベージュ?基調の部屋の塗装のモダンさよ…。

この部屋を始めて見た時、直感的にお風呂場のように感じた。
中央にあるのが浴槽で右端の方にソープ入れの容器のようなものが置かれている。

外側から撮影。

所々割れた窓。一部が光を反射して綺麗だった。

自力発電所跡

発電所跡の入口。
ここをくぐると…

基地の電力供給を担っていた発電施設の名残。
この景観に魅せられてしまい、30分はこの場所から離れることができなかった。
骨組みだけが残っている状態だが、天井のアーチがとても絵になる。

アーチと書いたが、正しくはレールだ。

上を見上げると鉄骨の骨組みが空に透けて、幻想的で美しい光景が広がっていた…。

自力発電所の内部

ほどよく絡まったツタ群。

引き戸に這うようにツタが広がっている様子が、とてもエモくて好きな光景だ。

高圧受電盤

高圧受電盤は、高圧を低圧に変圧し、電力供給する役割を持つ装置のことらしい。
金属部分は錆々だ。

ゴーストという光の像が写り込んだ、幻想的な写真も撮れた。

最初お皿なのかなと思ったけど、よく見ると違う気がする。
ギリ、左下ら辺にあるのはドアノブの残骸というのは分かるけど。
※もし分かる人がいたら是非コメントなどで教えてほしい…!!

発電機棟の内側から外側の景色を写した写真。

発電機棟全景。

物乾場跡

物乾場跡という字面から小難しくなってしまっているが、ようは洗濯したあとの物干しスペースのことだ。

これだけみると謎のモニュメント群のよう…笑

おまけ:鹿島海軍航空隊跡地に静かに眠る異物たち

このように敷地内には、施設の建物の基礎だけが残された跡が多く見られる。

ぐにゃりと歪んで、もとは一体何だったのか見当がつかない。

汽缶場(ボイラー室)跡の周辺に残されていた異物は、どうやら焼却炉だったらしい。

近づいて見てみると「焼却炉」の文字が。
記載されている会社名を調べたところヒットしなかったので、もう今は存在していないのかもしれない。

水が出るような場所だったのかな?水飲み場のような炊事場のような?

赤い消火栓

ここにどれくらい残されていたのだろう。
案内看板がなかったら、素通りしてしまったかもしれない。

士官宿舎跡

ここからの眺めはシンメトリーな美しさが際立っていた。

廃墟マニア、史跡好き、遺跡好きな人には見どころ満載の鹿島海軍航空隊跡。

だが、夢中になりすぎてしまうと…

ヒヨ
ヒヨ

ああああぁぁぁ
カタパルト台座跡、見るの忘れた… /

私のように時間配分をミスると、見そびれてしまう史跡も出てくるので時間に余裕を持って訪れる事をおすすめする。

公開は毎週土日の午前9時~午後5時。
\ 最終入場時間は結構早かった気がするので、事前に調べて行ってくださいね…! /

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